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2017年 08月 31日

UPSTREAM A GO! GO!奥黒部の巻

奥黒部、それは30年以上前から憧れ続けた特別な場所だ。奥黒部を経験した強者達は皆、「凄いところだよ」と決まって遠い目をしてつぶやくのだ。
そしてその日は突然に訪れた。久々に顔を見せた常連客の杉本大兄が帰りしなに涼しい顔で「来月、黒部行きませんか」と、「行きます」不意打ちに何故か即答する店主であった。
6時間に及ぶ歩き、切り立った崖に張り付き永遠と続くハシゴ・・、想像するだけで武者震いが止まらない。
大兄の足手まといにならぬ様、1ヶ月間で体のコンディションをベストの状態に持っていかねば。20kmの多摩川歩行演習を敢行するも膝に一抹の不安を抱える事に・・、薄々感じてはいたのだが。高かったけれどQPコーワ コンドロイザーを服用開始。ニューハレVテープ&サポーターも導入しトリプルケアで乗り切ろう。この際、金でカバー出来るなら金を使うしかない。黒部イワナ、待ってろよー。
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7:30ののトロリーバスでダムサイトへ。薄曇りのひんやりした空気の中、今回で黒部4回目となんとも頼もしい杉本大兄と少々緊張気味の店主の行脚の始まりなのだ。
黒部ダム左岸を平の小屋までの歩き10km、これがまず最初の試練。コースタイムは3時間30分順調に行けば12:00の平の小屋の渡船に余裕で乗れる筈だ。 
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晴れ渡る秋空の下、快調に店主を引っ張る大兄の勇姿。なぜか大兄の装備は重くデカイのだ。店主の装備は例によって究極のUL化で体に優しい。
膝はトリプルケアの甲斐あって順調だが、アップダウン、容赦なく現れるハシゴ群、徐々に軽口は出なくなる。太腿の筋肉が悲鳴を上げる中、こまめな給水を心がける。
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バテバテでなんとか小屋着。乗船前に昼飯を済ませる。店主は例によってアルファ米中心の献立、大兄は涼しい顔でキュウリ、トマトを包丁で切って料理している。恐るべし。
小屋の番犬、柴犬モモちゃん6歳♀は頭をなでると噛み付くので注意するべし。
小屋の主、佐伯さんの操船で対岸に渡してもらう。「最近の黒部川はニジマスが多くなってしまって残念だね」??初耳であった。
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対岸に渡り奥黒部ヒュッテまでは、4.6km/2時間の工程。午前の工程より短いとたかをくくっていると「こっちの工程の方がキツイですよ」と大兄からの警告。
後半の容赦なく連続するハシゴに悶絶、大のオトナが泣きたくなる。さすがに大兄もキツそうだ。
極限を過ぎると頭の中は真っ白になる。何も考えず黙々と目の前の事をこなす様になる。修行僧の悟りの境地なのか。
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登山道から望む黒部川本流バックウォーター付近。のどかに見えるが、水量はかなり多い様だ。
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喘ぎながら奥黒部ヒュッテ着。早速、ザックを下ろし釣りの準備。あんなにバテていたのに釣りは別腹なのだ。
「水量多いから川を渡らないでね。数日前も上の廊下で亡くなっているからね」ヒュッテの爺ちゃんの警告に腰が引ける。
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ヒュッテ前の東沢谷と本流の合流付近。とりあえず本流からチェックする。我ら以外に釣り人はいない。
幸い濁りは無いが、水量が多くイメージしていた釣りが出来ない。
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大兄と別れてそれぞれの釣りを楽しむ。大兄はルアーで入渓、店主はオリジナルフライロッドの最終チェックも今回の宿題なのだ。
なんとか釣り方が見えてきて魚をキャッチするもニジマスのみ6連発。引きは素晴らしいが、会いたかったのは君達では無いんだよ。
本流は相当数のニジマスがダムから差してきているのだろう。
イブニングでなんとか初の黒部イワナ7寸をキャッチ。虫のハッチがちらほら始まりこれからイブニングタイムの始まりだろうか。
後ろ髪を引かれる思いでヒュッテに戻る。
既に風呂に入りサッパリした大兄は「イワナばっかり尺を含め10本以上、ニジマスは釣れていないです」と。なんと大兄恐るべし。
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翌日は、貧果を可哀想に思ってくれた大兄が東沢谷を店主に譲ってくれた。昨日より少し水量が落ちて今日はフライでいけそうだ。
朝一から入渓したが、10時くらいに魚の反応がすこぶる良くなった。教科書通りの場所からパラシュートアントに気持ちよく反応してくれる。
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陽が差し込む長い深瀬にイワナ達が行列して泳いでいる。こんな光景を見るのは初めてだ。なんて素晴らしいんだろう。本当に来て良かったよ。
開きから飛び出してくる腕白な子達は白っぽい体色、巻き返しの岩の中から出てくる奴らは黒っぽくいかにも黒部イワナの風貌だ。
やっと9寸くらいのいい顔をした奴をキャッチ。尺は無いけれどもう十分満足だ。
早い時間帯にフライを見切って帰っていた奴を帰りにもう一回叩いたら喰ってくれた。
RODは今秋リリース予定のUDグラスWASABI 6'10"/#3/4p。
本日も後ろ髪を引かれる思いで昼前に撤収。大兄は、本流を渡って釣り上がり、ボコ釣りの模様。恐るべし。
12時に平の小屋を目指し歩き始める。帰りの行程は行きに比べ心の準備が出来ているお陰なのか呆気なくフィニッシュ。
もしかして体が出来上がったのか・・。
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今晩は、平の小屋泊まり。若い頃から憧れていた小屋に泊まれるのだ。佐伯さんのトークも楽しみだ。
晩飯までの時間でヌクイ谷を攻めることに。先行者の後を追う形になったが、竿抜けのちょっと面倒臭い場所を流すと喰ってくれる。
ここでも大兄の計らいで楽しい釣りをさせてもらう。
RODは今秋リリース予定の synchro 7'11"/#3/4p 低レジン低弾性カーボンを厚巻にする事でしっとりとしたトルクが出ている自信作なり。
晩飯の後は佐伯さんを中心に釣り人4人の濃いトークタイム。「釣りの事は全て魚に教えてもらった」と言うだけあってこの人の話は本物なのだ。
今度来るときは、自分用の焼酎を担いで来よう。
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予報通り夜から降り出した雨は翌朝にも降り続いている。今日も午前中、ヌクイ谷を攻める予定であったが全員意見一致で下山決定。体が悲鳴を上げている。
雨具を着込み7:00に小屋を出発。途中、陽が差し始め雨具を脱ぐといきなり釣欲が湧いてくる。釣りをしない御仁には理解できないだろうが、釣りは別腹なのだ。
全員意見一致でタンボ沢を攻めるが反応は無い。ここまで来ると日帰りの釣り人達も多いのだろう。1時間で撤収。
ここまで来れば、ダムサイトまではあっという間だ。平の小屋からの帰りの行程も行き程の辛さは感じない。ついに体が出来上がってしまったのか?

あと2日、いや1日長く居られたらどんなに沢山の黒部イワナが釣れたのでしょうか。
向かっている最中は「もう来る事は無いだろうな」と思っていましたが、正直、今シーズンもう一回行けるなら行きたいです。
すっかり脳ミソをやられてしまった様です。お店で遠い目をして「凄いところだよ」とつぶやいている店主を見ても驚かない様に。

この場を借りて気まぐれで誘ってくれた杉本大兄に心から感謝します。お陰で人生の宿題をひとつクリアーすることが出来ました。
そしてQPコーワ コンドロイザーとニューハレVテープにも感謝です。

KEEP ON FISHING!



by angloco | 2017-08-31 21:22 | DIARY


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